今年の初めに目標とした
不動産投資に関わる本100冊読んで書評する
有名なみねしましゃちょーこと峯島忠昭さんの
「“水戸大家式”本当にお金が稼げる不動産投資術」です。
初版 2005年8月8日
発行所株式会社 ごま書房新社
著者 峯島忠昭
現在はYoutuberであり、格安SIMの代理店の峯島社長の書作3冊目。
すでに株式会社水戸大家として六本木に事務所を構えて
従業員増やしてブイブイいわせてる頃(死語)ですかね。
心なしか筆も乗っていますね。
本の内容はさすがに基礎を抑えてあり万人向けです。
不動産投資は「融資がすべて」そういっても過言ではありません(P.008)。
しかし、ページを多く割いている融資の部分は、スルガ銀行のような
リスクを取って融資を出す銀行に依存している仕組みなので
不動産投資の良い面ばかりを強調しすぎなのではないかという印象を受けました。
また、スルガスキームが崩壊した現在では使えない部分も多く
不動産投資は情報戦であること、
そして、浮き沈みが激しい世界であることがよく分かるいい本でした。
ところで、私が不動産投資を始めようと思った時には
既に「水戸大家さん」としてメルマガ界で有名だった峯島社長ですが、
実際の不動産投資歴はそれほど目を引くものではなさそうです。
本書の中から、ご本人の不動産投資経験を抜粋します。
2005年(25歳)
420万のワンルーム(利回り11%)を現金で購入。
想定家賃年46万、月3.85万円。
時期不明
2件目は、630万円の3LDKを自宅用に現金にて購入。
2008年2月(28歳になる年)
200万円で戸建てを2戸(利回り48%)購入。
特に記載はないが、次の物件が初めて借り入れをしたとあるのでおそらく現金で購入。
想定家賃年96万円、月8万円。
2008年4月(28歳になる年)
1300万円で2DKを6戸のアパート(利回り22%)を一部借り入れして購入。
想定家賃286万円、月23.8万円。
キャッシュフローが14万円と記載があったのでローン分は9万円前後と推定。
2009年9月(29歳になる年)
ソシアルビルを購入。
満室になると850万円で利回り70%とあったので、約1214万円前後で購入かと思わえれる。
で、2009年10月にセミリタイヤとして労働を辞めて
その時に36万円のキャッシュフローがあったとありますが
計算すると家賃収入としてはワンルーム3.85万円、戸建て2戸で8万円、アパート23.8万円の35.65万円程度だったと推測されます。
当時所有していた不動産の入居状況も不明だし、前月に購入したソシアルビルがこの時点で入居者がいるとも思えないし。
内容から察すると、著者が独立、起業したきっかけは不動産投資からの
不労所得によるものというよりも
むしろメルマガなどの収入がメインだったのではないかと思います。
流石にキャッシュフロー36万円(本当はそこからローン9万円を引いた27万円では?)で独立はハイリスクすぎます。
著者は文中で
「融資が付けば何でもいいから物件を買う」という訳ではなく、銀行評価が出ることにくわえて、しっかりと利益が残る物件を買うべきです。
不動産投資では、収益率をあらわす指標として、利回りがよく使われていますが、一番重要なのは、キャッシュフローです(P.010)。
と、キャッシュフローの重要性を何度も強調しているので、こんなリスクを取るとは到底思えないのです。
さらに、投資歴をみると現金購入が圧倒的に多く、ご本人も慎重派であることがよく分かります。ちなみに、現金であることの強気さは、本の中でも指値の部分に現れており
指値していい人というのは、やはり資金面での裏づけがはっきりしている人ということになります。
ある不動産投資家が、著作で「現金で3日以内に決済する」と書いていますが、それは正解だと思います。
3日以内に決済するからこそ「鬼指」ができる訳です(P.138)。
と、不動産業界にいる人だと当たり前ですが、初心者が結構忘れがちなこともきちんと書かれており、大変勉強になりました。
他にも「これは基本」というところは流石にきっちり書かれています。
まずは物件をキレイにする
空室対策の基本は、当たり前ですが部屋をキレイにすることです。
巷にはいろいろなノウハウが出ていますが、どんな対策をするにしても、まずは物件をキレイにしなければはじまりません。
入居希望者が内覧にきて汚い部屋だったら、そこに住もうと思いませんから(P.175)。
リフォーム費用をコストダウンするには?
コスト面でいえることは、入居中の部屋に工事業者を入れると割高になります。
やはり緊急対応となると追加の費用がかかるものです。倍とはいいませんが、数万円の違いがあります。
そのため給湯器やエアコンなどの壊れたら即時で対応した方が良い設備は、空室のときに入れ替えておく方がよいと思います(P.192)。
ちなみに、水戸大家さんと言えば
属性がいい初心者を食い物にする
「メルマガ」→「無料面談」→「きっちり嵌め込み」のコンボで有名ですが
無料面談では銀行の裏話として、どこどこは融資を出す、出さないの話ばかり
だったのではないかと邪推しております。

82ページあたりの記述
なお、私は臆病者なので、近寄らないようにしていました。
失敗から始まった私がひとつ言えるとすれば、人生はまず明確な目標を定めることから初めて欲しいということです(P.058)。
付き合ってはいけない不動産業者の見分け方
(〇)の数字は更新するたびに増えます。具体的には1996年までは3年に1度の更新、それ以降は5年毎に更新するごとに数字が増えます(P.105)。
受給バランスを調べる
もっとも気にすべきことは、賃貸需要が本当にあるのかどうかなのです。
(中略)
まずは、「アットホーム」などで周辺家賃の相場を調査します(P.112)。
不動産投資に使える補助金(P.206)。